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【保存版】ACL術後リハビリから競技復帰まで|実際の計画書でわかる5つの段階

公開日 最終更新

選手・保護者のための保存版|ACL術後リハビリ

「手術は終わったけれど、これから何をするの?」「筋トレは続けているけれど、いつ練習に戻れる?」。前十字靱帯(ACL)を手術したあと、リハビリの全体像が見えず、不安になる方もいると思います。

今回は、なわ整骨院の院長・名和大地が実際に使用したリハビリテーション実行計画書をもとに、膝の動きや筋力を戻す段階から、走る・跳ぶ・切り返す動作、競技練習へ進む流れを解説します。選手本人だけでなく、保護者や指導者の方も、担当者と相談するときにご活用ください。

この記事で分かること

  • ACL術後リハビリを5つの段階で考える方法
  • 計画書に書かれた運動の目的と専門用語
  • 走行・練習・試合へ進む前に相談したいこと
  • 通院時に持参できる、経過の確認メモ
最初に:掲載資料は、実際に使用した個別の計画例です

原本に記載された週数・日付・運動の負荷は、その計画の対象となった方に向けた設定です。すべてのACL術後の方に当てはまるメニューではありません。術式、移植腱、半月板などの合併損傷、年齢、競技、主治医の指示によって進め方は変わります。

特に原本の「21週〜部分復帰」「25週〜完全復帰」は、全員共通の復帰基準でも、この時期に復帰できたという結果の記録でもありません。ご自身の運動は、主治医・担当の理学療法士などから受けた指示を優先してください。

実際に使用したACLリハビリ計画書

この計画書は「目的」「エクササイズ」「備考」の3列で構成されています。運動名だけを見るのではなく、何のために行うのか、どの動きに注意するのかを一緒に確認するための資料です。

院長が実際に使用したACL術後のリハビリテーション実行計画書。段階ごとの目的・運動例・注意点を記載
実際に使用した個別の計画書。画像を押すと拡大できます。記載された週数や負荷は、一般向けの実施指示ではありません。

計画書にある専門用語を、分かりやすくすると

  • ROM:関節を動かせる範囲。膝を曲げる・伸ばす動きを指します。
  • Quad:太ももの前側にある大腿四頭筋。
  • Ham:太ももの後ろ側にあるハムストリングス。
  • Patella:膝のお皿、膝蓋骨。
  • Proprioception:関節の位置や動きを感じ取る感覚。資料では、バランス練習などと併せて扱っています。
  • Agility:素早く動いたり、方向を変えたりする能力。

略語や運動名が分からない場合は、担当者に実際の動きを見せてもらいましょう。同じ名前の運動でも、膝の角度、負荷、支え方によって内容は変わります。

ACL術後リハビリを5つの段階で整理

原本では週数ごとに項目が並んでいますが、この記事では目的が分かるように5段階へ整理しました。前の段階を完全に終えてから次へ進むとは限らず、必要な取り組みを重ねながら進めます。以下は計画の読み方であり、ご自身で開始時期や負荷を決めるためのメニューではありません。

STEP 01

膝の動き・腫れ・歩行を確認する

原本の初期には、膝の曲げ伸ばし、腫れや痛みへの対応、歩行の改善が挙げられています。まずは「今、どこまで動かしてよいか」「どの程度体重をかけてよいか」を、医療機関の指示と合わせて確認する段階です。

計画書の運動例:ヒールスライドなどの膝の曲げ伸ばし、荷重移動、歩行練習。

相談したいこと:装具・松葉杖の使い方、荷重や可動域の制限、自宅で行う運動の範囲。原本にある膝の伸ばし方や角度の注意も、個別の指示として確認します。

STEP 02

太もも・お尻・体幹の筋力を整える

計画書では、太ももの前後だけでなく、お尻、ふくらはぎ、腹部や背中の運動も組み合わせています。膝だけを繰り返し動かすのではなく、身体を支える筋肉を含めて取り組む構成です。

計画書の運動例:筋肉に力を入れるセッティング、ヒップリフト、カーフレイズ、段階に応じたスクワット。

相談したいこと:目的の筋肉に力を入れられているか、負荷や回数が合っているか、痛みを避けて別の動きで補っていないか。回数だけでなく、動きの質も担当者に確認してもらいます。

STEP 03

片脚で支える力とバランスを確認する

原本には、片脚立ち、バランスボード、横方向のステップなどが含まれています。両脚でできる運動から、片脚で身体を支える場面へ取り組みを広げる段階です。

計画書の運動例:片脚立ち、バランス練習、ラテラルステップ。

相談したいこと:膝や身体がどちらかへ大きく崩れていないか、左右で支え方が違わないか。原本の備考にも、膝の向きや反対側の骨盤が下がる動きへの注意が記載されています。

STEP 04

走る・跳ぶ・着地する動作へ進む

計画書の中盤以降には、走行、両脚・片脚の着地、ジャンプ、方向転換の練習が登場します。原本でも、着地時の姿勢や走行時間の増やし方について注意を添えています。

計画書の運動例:段階的な走行、着地練習、ジャンプ、ステップ、切り返し動作。

相談したいこと:開始の許可が出ているか、着地・減速の動きを確認してもらったか、実施後や翌日に痛み・腫れが増えていないか。「表に書いてある週数になった」だけで開始しないことが大切です。

STEP 05

競技練習を段階的に戻し、復帰を検討する

原本の後半には、ボールを使った動作、パス、対人、カッティング、ターン、コンタクトが並んでいます。一般的な筋トレから、実際の競技で必要になる動きへつなげる計画です。

計画書の運動例:競技に合わせたボール練習、方向転換、対人練習など。

相談したいこと:参加できる練習と見合わせる練習、接触の有無、練習量、疲れてからの動き、次の段階へ進む条件。原本の「部分復帰」と「完全復帰」も、どの活動を指すのか具体的に共有しておく必要があります。

走行・競技復帰は「術後何か月」だけで決めない

経過した期間は大切ですが、それだけで復帰を決めることはできません。ACL術後リハビリに関するAspetarのガイドラインでも、身体機能や心理面を含む評価と、競技に応じた段階的な復帰が提案されています。評価項目や基準には検討が続いている部分もあり、1つの数字だけで安全を保証できるものではありません。

身体の状態

痛み・腫れ、膝の動く範囲、安定性、筋力などを担当者と確認します。

動作と負荷

走行、着地、方向転換など、戻りたい競技に必要な動きを評価します。

本人の不安

切り返しや接触が怖い、受傷した場面を避けてしまうなど、気持ちの面も共有します。

練習への戻り方

練習の一部への参加、全体練習、試合を分けて考え、医療者と競技側で方針を共有します。

参考:Aspetar clinical practice guideline on rehabilitation after anterior cruciate ligament reconstruction(2023)。掲載した個別計画書の週数や各運動を、このガイドラインが一律に推奨しているという意味ではありません。

保存用|診察・リハビリ時に使える確認メモ

次の項目をスマートフォンのメモにコピーし、診察やリハビリのときに見せると、現在の状況を共有しやすくなります。復帰の自己判定表ではなく、担当者と相談するためのメモです。

  • 手術・指示:手術日、術式、合併損傷、主治医からの制限
  • 現在の段階:取り組んでいる運動と、その目的
  • 困る場面:歩行、階段、しゃがむ、走るなど
  • 運動の記録:内容、回数・負荷・時間
  • 反応:運動中、終わったあと、翌朝の痛み・腫れ・動かしやすさ
  • 不安:怖い動き、復帰について気になること
  • 次の確認:次へ進む条件と、いつ誰に評価してもらうか
  • 競技側への共有:参加できる練習、制限する動作、練習時間

保護者・指導者の方へ

「もう何か月たったから大丈夫」「試合が近いから急ごう」と日程だけで判断せず、本人・主治医・リハビリ担当者と、参加できる内容を具体的に共有しましょう。練習に戻れたあとも、本人が言いづらい痛みや不安がないか、話せる機会を作ることが大切です。

運動後に痛みや腫れが強まる、新しい症状が出るなど変化がある場合は、自己判断で負荷を上げず、主治医や担当者に相談してください。

ACL術後リハビリについてよくある質問

この計画書どおりに自宅で運動してもよいですか?

そのまま実施するための資料ではありません。同じACLの手術でも、術式や合併損傷、医師からの制限が異なります。自宅用に指導された内容を行い、変更したい場合は担当者に確認してください。

痛みがなくなったら、走ったり試合に出たりできますか?

痛みだけでは判断できません。主治医の方針に加え、膝の動き、筋力、走行・着地・方向転換などの動作、本人の不安感も含めて確認します。

手術前と同じ重さで筋トレできれば復帰できますか?

筋トレの重量だけで復帰は決められません。競技で必要な動きができるか、運動を続けたときにどうなるかも担当者と確認します。

病院でリハビリを受けていますが、相談できますか?

ご相談いただけます。現在の通院状況、手術内容、主治医からの指示、担当者の計画を確認し、役割や運動内容が食い違わないように考えます。資料をお持ちの場合はご持参ください。

神戸市灘区でACL術後のリハビリを相談したい方へ

なわ整骨院では、戻りたい日常生活や競技を伺い、可動域、筋力、左右差、バランス、動作を確認しながら対応を考えます。ACL術後の方は、主治医の指示や医療機関のリハビリ方針を確認したうえでご相談ください。

院長・名和 大地

柔道整復師/日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー。

スポーツ現場での経験:MIOびわこ滋賀(現・レイラック滋賀)、おこしやす京都AC、INAC神戸レオネッサ、甲南大学サッカー部、京都大学ラグビー部。

選手本人や保護者の方に、今の段階で何を確認するのか、次に何を目指すのかを分かりやすくお伝えすることを大切にしています。

ACLの症状説明と実際の症例

症例はそれぞれ個別の経過であり、同じ期間や結果を保証するものではありません。

今のリハビリや復帰の進め方をご相談ください

手術日、現在困っている動作、主治医からの指示、戻りたい競技を、分かる範囲でお知らせください。

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